イヌフィラリア症 | 狂犬病 | パルボウイルス感染症 | ジステンパー | コロナウイルス感染症 | イヌ伝染性肝炎 |
ケンネルコフ | イヌヘルペス感染症 | ネコ伝染性腸炎 | ネコ免疫不全ウィルス感染症 | バルトレナ症 | その他の病気 |
熱中症 | バベシア症 |
原因 |
病原ウイルスは、1987年にはじめて発見された比較的新しいイヌパルボウイルスで、日本では1980年代のはじめに 大流行したことがある。 主な感染経路は、感染したイヌの便や嘔吐物、それらに汚染された食器、そして感染したイヌと接触した人の 手指や衣類などで、それらに他のイヌが口や鼻をつけることにより感染(経口感染)する。 |
---|---|
症状 |
心筋炎型は、突然変異が現れる。悲鳴をあげたり、吐き気や不整脈が起こることもあるが、ほとんどはさっきまで 元気だった子犬が急激に状態が悪くなって、呼吸困難で30分以内で急死してしまうことが多いので 手の施しようがないのが現状である。 一方、腸炎型は飼い主が気がつきやすい症状が現れる。感染後2日くらいで元気がなくなり、激しく嘔吐し、嘔吐がはじまって 6〜24時間後から頻繁に下痢を起こす。便の色は、はじめは灰白色から黄灰白色で、次第にドロドロした粘液状になる。 重症の時は、血液が混じり、場合によってはひどい悪臭もする。色はトマトジュースやトマトケチャップのようである。 嘔吐と下痢が続き、体内の水分は失われ、脱水状態になってしまい、衰弱して死に至ることもある。 食欲はなく、発熱することもある。 |
治療 |
パルボウイルス感染症と診断されたら、他のイヌへの感染を防ぐため、すぐに感染したイヌを隔離して集中治療を行う。 このウイルスに有効な抗生物質はないため、体力の回復をはかる治療が中心となる。乳酸リンゲルなどによる輸液や 酸素吸入などにより、脱水症状からの回復に努めたり、さらには体力低下によって他の細菌に二次感染しないよう 抗生物質を投与したり、腸の状態を整える健胃整腸剤を用いる。 治療の間は嘔吐を抑えるために絶食させ、腸を休ませる。 治療によって3〜4日間もちこたえれば、1週間程度で回復する。 |
予防 |
混合ワクチン接種で予防できる。 一般的には初回の接種は生後9〜10週目のときに受け、その3〜4週間後に2回目を接種する。 また母犬から抗体をもらっている可能性がない(生後すぐに母犬から引き離された)場合は、生後2〜3週間目に初回の接種を行い その後3〜4週間後に2回目の接種をする。そして年1回の追加接種をしていくのが、最も普通の予防法である。 パルボウイルスは、とても生命力が強く、体の外の環境中でも1年くらいは生きている。 ウイルスの伝播を防ぐためには、パルボウイルス感染症が発生した犬舎、糞便、嘔吐物やウイルスに汚染されたと思われる すべてのものを完全消毒する。消毒はアルコールやクレゾール、石炭酸、逆性石けんなどでは効果がない。 そこで家庭では、煮沸消毒するか、または薬局で市販されている次亜塩酸ナトリウム溶液を約30倍に薄めて用いると有効である。 |