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                                       病気の豆知識

熱中症に注意を!



 熱中症にかかりやすい動物
  ■人間より暑さに弱い動物
チンチラ・フェレット・うさぎ・犬・ネコ・・・その他の多くの動物は、人間よりも熱中症にかかりやすいと言えます。
なぜなら、人間は皮膚から汗を出して身体を冷やすことができますが、毛皮に覆われている殆どの動物たちは皮膚から汗を出すことはできません。これらの動物たちは熱中症にかかりやすいと考えてよいと思います。
特にチンチラやフェレットなど、元々涼しい地方に住んでいた種類の動物たちは暑さはたいへん苦手ですし、うさぎなど小動物は身体が小さい分、周りの温度の影響を受けやすく、短時間で熱中症になってしまいます。

  ■熱中症にかかりやすい犬種
また、犬種ではパグ、シーズー、ポメラニアンなど短頭種は熱中症に弱いと言われています。その理由は、マズル(口吻)が短い分、マズル内で空気が冷却されずに暑い空気が直接体内に入ってくるためという説があります。また、長毛種は短毛種に比べ暑さに弱いので、夏はサマーカットにすることがあります。

  ■コンディションによっても‥
また同じ種類の動物であっても、老齢、肥満、あるいは下痢や発熱で体調が弱っているときなどは、より熱中症の危険が増します。さらに一度熱中症にかかった動物は、再び熱中症にかかりやすくなるとも言われています。

 熱中症にかかりやすい場所・状況
  ■車の中
毎年、子供が車中に置き去りにされて亡くなるニュースがマスコミに取り上げられますが、その何十倍あるいは何百倍もの動物が車中の高温の中で命を失っていると想像されます。車の中は春や秋でも予想以上に暑くなるため、夏以外にも熱中症事故が起きることがあります。
また、車の中ではエアコンがあっても、陽の当たる場所などは局所的に高温になるため、エアコンを入れているからといって安心してはいけません。夏、動物と一緒に車で移動しなければならない場合には、動物のいる場所の温度を、温度計で必ず確認するようにしましょう。

  ■閉め切った室内 
閉め切った室内では、昼間、人が外出中に、車中同様に異常な高温になることがあります。このようなケースでは、室内飼いの動物は涼しい場所に逃げることができないため熱中症になってしまいます。
また、夜、人が帰宅してからエアコンを入れている場合には、エアコンの効いている夜の温度と、エアコンの効いていない昼間の『温度差』が非常に大きくなるため、この『温度差』によって動物は体調を崩しやすくなります。余談ですが人間の冷房病も「日中の外気温とエアコンの効いた室温との温度差」が原因といわれています。
人間も動物も健康に過ごすためには、1日の間でなるべく温度差が少なくなるようにして過ごすのがベターです。

  ■屋外の繋留
屋外に繋留する場合には、日陰に逃げることができないと熱中症になってしまいます。必ず日陰に逃げることができるようにしてください。また、屋外の小屋で飼育する場合には日陰を用意しておく必要があります。

  ■散歩や運動中
日中のアスファルトは非常に高温になります。人間よりも地面に近いところを歩く動物たちにとってはより暑いですから熱中症にかかりやすくなります。また、暑い日や暖かい日に水分補給をしないで運動を続けると、脱水症状により体温調整ができなくなって、熱中症になってしまうので注意が必要です。

  ■シャンプー後のドライヤー
梅雨の時期はドライヤーを当てていても、なかなか毛が乾かないものです。長時間ドライヤーを当てていると熱中症になってしまうことがあるので注意しましょう。

 熱中症の予防と応急処置
  ■予防
最も安全なのが、室内で飼育し、エアコンで温度管理する方法です。
暑さに弱いチンチラやフェレットは屋外飼育は不向きですし、その他の室外飼育が可能な動物であっても、エアコンの効いた室内で過ごさせた方が身体には優しいと言えます。それぞれの動物に適した温度に設定しましょう。
人間の場合、「エアコンは体に悪い」という通説がありますが、これは屋外との温度差が問題なのであって、ずっと室内で飼育される動物の場合はエアコンで温度管理してあげた方が健康的に過ごすことができます。
どうしても屋外飼育する場合には、日陰になる涼しいところ、適度に風が流れて熱がこもらないところに繋留または小屋を置くようにします。

次に大事なのが「飲み水を欠かさないこと」です。新鮮な水をいつでも飲めるようにしておき、脱水症状に陥らないようにしましょう。

あとは上述の「熱中症にかかりやすい場所・状況」を参考にして、動物を高温下に置かないように気をつけましょう。例えば、散歩の必要のない動物は、夏は外に出さないようにしましょう。

熱中症は、適切な温度管理と水分補給で、確実に防ぐことができます。熱中症は一般的な病気とは異なり、飼い主の不注意で起きる事故だという認識を持つようにしましょう。

  ■応急処置 
熱中症は一刻も早く処置をしなければならない病気です。ほんの数分の遅れが命取りになりかねないので迅速に対処しなければなりません。
熱中症になると、ぐったりと元気がなくなり、呼吸が浅く速くなり、体温が上昇します。もしこのような症状が現れたら、すぐに動物病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。

一般的な応急処置としては、先ずは上昇した体温を下げることです。身体の小さな動物なら水(氷水のように冷たすぎるのは禁物)に身体ごと浸してあげます。大きな動物の場合は首の付け根や脇の下などの体幹部を冷たい濡れタオルなどで冷やしてあげます。身体全体に水を吹きかけてあげることも有効です。

次に水を飲むことができるなら、少しずつ水分を補給します。飲めない場合には口元を濡らしてあげるだけでも違うようです。水の代わりにスポーツドリンクを2倍程度に薄めたものをあげることは、水分の吸収率が上がるので良いと言われています。
ここで気をつけなくてはいけないのは、一度に大量の水を飲ませないことです。一度に大量の水を飲ませると、身体のイオンバランスが崩れて逆効果になるといわれています。

ここで書いた対処方法は一般的なものです。動物の状態によって、最適な対処方法が変わってくることもあるので、素人判断はせず、動物病院で指示を仰ぐのが最も安全です。


 熱中症かかわる誤った情報
  ■扇風機は効かない
夏の暑さは扇風機で対処できると考えている人が多くいます。困ったことにペットショップ店員やペット関連業者の中にもこのようなことをいう人がいます。しかし、これは誤った情報です。
人間が扇風機を涼しいと感じる理由は、汗が蒸発するときに「気化熱」が奪われるからです。汗をかくことができない動物は風が当たっても涼しいとは感じません。
ただし、場所によっては熱がこもるのを防ぐ効果はあります。

  ■クールボードでは熱中症を防げない
アルミや石など素材の冷たさを利用したクールボードがあります。これらのボードは少し暑い位の時はとても気持ちの良いアイテムですが、熱中症の危険があるような暑さの中では殆ど効果がありません。
なぜならクールボードは、ボードの温度(室温度同じ)と動物の体温に温度差がある時に暑い方から冷たい方に熱が移動する仕組みになっているからです。ですから、室温が上がりボードの温度と動物の温度が殆ど一緒になってしまえば、熱は移動しないので冷たく感じなくなります。

結晶の変化によって冷えるクールボードがありますが、これは素材の冷たさを利用しているボードと殆ど変わらない(多少の時間稼ぎにはなるかも)と考えて良いと思います。気温が上がってしまえば、結晶は熱を吸収しきった状態になるためそれ以上は冷えないからです。

水を含ませて気化熱で冷えるクールボードがあります。このボードの場合は、湿度が高いときは水分が蒸発できなくなるため効果がなくなります。また、乾いてしまえば冷えなくなってしまいます。一日中、乾かずに十分な効果が得られるクールボードは、今の所リンクでは確認できていません。

氷(保冷剤)を利用するタイプなら熱中症対策に利用することができます。ただし、氷が溶けてしまえば効果はなくなります。一日中氷が溶けずに十分な効果が期待できるクールボードは、今の所リンクでは確認できていません。

クールボードは、熱中症の危険がない環境下で使用する場合に、快適さを得られるアイテムだと認識しましょう。

  ■○○は平気???
熱中症対策の話をすると、「今までエアコンなしでも平気だった」、「○○さんちでは屋外で飼ってるけど平気」など、十分な熱中症対策をしていなくても平気だった事例をあげて反論する方がいます。

しかし、熱中症対策が不十分な場合には、目に見えないダメージが蓄積していることもあります。熱中症から生還しても腎臓や脳に後遺症が残ることもあります。また、高齢になったり、たまたま体調が悪かったときに、今までと同じ環境であっても熱中症で命を落としてしまうこともあります。
単純に、呼吸をしていて心臓が動いてさえいれば「平気」と言ってしまうのは、正しいとは言い切れないのではないかと思います。

この辺りの話になると、それぞれの飼い主さんの思想によるところもあるので、これが絶対に正しいという意見を述べるつもりはありませんが、自分の飼育している動物にとって、どのような環境が良いのか、もう一度はじめから頭を整理して、考えてみてはいかがでしょうか?
 

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